増悪と疾病負担
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気管支拡張症は経時的な呼吸機能の低下や死亡リスクを伴い、気管支拡張症患者は、現在の疾病負担だけでなく、長期的なリスクも抱えています。
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QOL低下や死亡リスク増加の原因となるため、増悪の予防は優先的な臨床課題です。
気管支拡張症の疾病負担
現在の疾病負担だけでなく長期的なリスクも
気管支拡張症は、咳、痰、疲労、息切れなどの症状が日常生活の障害となるだけでなく、増悪を繰り返すことで長期的なリスクも抱えています1-4)。
ヨーロッパおよびイスラエルにおいて気管支拡張症患者を最大5年間追跡調査したところ、気管支拡張症の増悪が頻回な患者ではQOLが低下したこと、増悪年1回の患者は0回の患者と比べて将来の増悪リスクが1.73倍増加したことが報告されています2)。
重度増悪だけでなく軽度/中等度増悪も呼吸機能の低下に関連することが知られており、増悪年2回の患者は0回の患者と比べて死亡リスクが1.6倍増加したことが報告されています2)。

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研究概要2):
気管支拡張症患者における増悪頻度が長期的な臨床転帰に与える影響を明らかにすることを目的として、ヨーロッパおよびイスラエルの10施設で2007年~2013年の間に登録された18歳以上の気管支拡張症患者2,596例を対象に、最大5年の追跡調査を実施した。患者はベースライン時の増悪頻度(年0回、1回、2回、3回以上)別に分類し、増悪歴がQOLや入院、死亡率に及ぼす影響について分析した。
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研究概要4):
非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者のFEV1の推移を分析しFEV1に関連する因子を検討することを目的として、スペインの43施設で2015年2月~2019年2月に気管支拡張症と診断された18歳以上の患者849例を対象に、FEV1の測定結果を経時的に調査し、関連因子について分析した。
FEV1:1秒量、SGRQ:St. George’s Respiratory Questionnaire
1)Aliberti S, et al. Eur Respir J. 2016; 48(3): 632-647.
2)Chalmers JD, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2018; 197(11): 1410-1420.
3)Angelis AD, et al. Eur Respir Rev. 2024; 33(173): 240085.【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者等が含まれる。
4)Martinez-Garcia MA, et al. Clin Microbiol Infect. 2021; 27(3): 428-434.
増悪と疾患負荷
増悪の予防は優先的な臨床課題
気管支拡張症の増悪は、緑膿菌感染、呼吸機能低下、QOL低下だけでなく、疾患進行、入院、死亡に関連することが示唆されています2-7)。
2025年に改訂された欧州の気管支拡張症ガイドラインにおいても、増悪の予防は優先的な臨床課題であると述べられています5)。

2)Chalmers JD, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2018; 197(11): 1410-1420.
3)Angelis AD, et al. Eur Respir Rev. 2024; 33(173): 240085.【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者等が含まれる。
4)Martinez-Garcia MA, et al. Clin Microbiol Infect. 2021; 27(3): 428-434.
5)Chalmers JD, et al. Eur Respir J. 2025; 66(6): 2501126.【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者等が含まれる。
6)Olveira C, et al. Qual Life Res. 2013; 22(3): 597-605.
7)Feliciano J, et al. Pulm Ther. 2024; 10(4): 439-450.【利益相反】本研究はインスメッドから資金提供を受けて実施された。著者に同社の社員が含まれる。
欧州の気管支拡張症ガイドラインにおける増悪の定義
欧州の気管支拡張症ガイドライン2025年版において、増悪は「日々の変動を超える症状の悪化であり、管理の変更が必要となる状態」と定義されています5)。
増悪の主な症状として、咳嗽、喀痰、膿性痰、呼吸困難や運動不耐容、疲労・倦怠感、喀血が挙げられており、さらに、その他の臨床的特徴として、発熱、喘鳴、全身の不快感、食欲不振、体重減少、胸膜炎性胸痛、診察上の胸部所見の変化なども挙げられています5)。
増悪の定義

Chalmers JD, et al. Eur Respir J. 2025; 66(6): 2501126.
【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者等が含まれる。
増悪頻度が高いほど死亡リスクが高まる
ベースライン時の増悪回数別に非嚢胞性線維症性気管支拡張症の臨床的特徴と生存率を評価することを目的とした研究7)において、ベースライン時の増悪回数が多いほど死亡までの期間が短く、5年生存率はベースライン時の増悪回数が2回以上の患者で55.3%、1回の患者で62.6%、0回の患者で65.4%でした。
増悪の既往歴は全死因死亡率の増加に関連することが示されています。
ベースライン時の増悪回数別の全生存率(海外データ)

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研究概要:
ベースライン時の増悪回数別に非嚢胞性線維症性気管支拡張症の臨床的特徴と生存率を評価することを目的として、2014年1月~2020年12月に非嚢胞性線維症性気管支拡張症の診断を受けMedicare Fee‑for‑Serviceデータベースに登録された患者110,298例を対象とし、ベースライン時の増悪回数(0回、1回、2回以上)別に、追跡期間中の全死因死亡率を評価し、死亡までの期間をKaplan-Meier解析により推定した。
Feliciano J, et al. Pulm Ther. 2024; 10(4): 439-450.
【利益相反】本研究はインスメッドから資金提供を受けて実施された。著者に同社の社員が含まれる。
重度の増悪があるほど呼吸機能が低下
非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者849例を対象にFEV1に関連する因子を検討したスペインの研究4)では、4年間(48ヵ月)の研究期間中、入院に至る増悪の既往がないグループではFEV1(%予測値)が0.68%低下した一方、入院に至る増悪の既往が1回以上あるグループでは1.23%低下し、重度の増悪による呼吸機能の低下が大きいことが示されました。
経時的にみた平均FEV1値(海外データ)

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研究概要:
非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者のFEV1の推移を分析しFEV1に関連する因子を検討することを目的として、スペインの43施設で2015年2月~2019年2月に気管支拡張症と診断された18歳以上の患者849例を対象に、FEV1の測定結果を経時的に調査し、関連因子について分析した。
FEV1:1秒量
Martinez-Garcia MA, et al. Clin Microbiol Infect. 2021; 27(3): 428-434.
増悪頻度はQOLに影響を及ぼす
気管支拡張症患者93例を対象に健康関連QOLであるSGRQを調査したスペインの研究6)によると、スコアが高いほど健康状態が悪いことを示すSGRQの総スコアは、増悪年3回未満の患者と比べて増悪年3回以上の患者で有意に高く、増悪頻度がQOLに影響を及ぼすことが示されました。
SGRQ総スコア(海外データ)

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研究概要:
気管支拡張症患者におけるうつ病および不安の症状と健康関連QOLとの関連を検討することを目的として、スペインのCarlos Haya病院に定期通院している15歳以上の気管支拡張症患者93例を対象にSGRQを調査した。また、診療記録から患者背景、増悪頻度、FEV1などを収集した。
FEV1:1秒量、SGRQ:St. George’s Respiratory Questionnaire
Olveira C, et al. Qual Life Res. 2013; 22(3): 597-605.より作図
REFERENCES
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Aliberti S, et al. Eur Respir J. 2016; 48(3): 632-647.
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Chalmers JD, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2018; 197(11): 1410-1420.
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Angelis AD, et al. Eur Respir Rev. 2024; 33(173): 240085.【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者等が含まれる。
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Martinez-Garcia MA, et al. Clin Microbiol Infect. 2021; 27(3): 428-434.
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Chalmers JD, et al. Eur Respir J. 2025; 66(6): 2501126.【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者等が含まれる。
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Olveira C, et al. Qual Life Res. 2013; 22(3): 597-605.
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Feliciano J, et al. Pulm Ther. 2024; 10(4): 439-450.【利益相反】本研究はインスメッドから資金提供を受けて実施された。著者に同社の社員が含まれる。
気管支拡張症の治療課題
- 気管支拡張症とは
- 診断基準
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増悪と疾病負担
- 好中球性炎症と疾病負担
- 治療目標