海外第Ⅱ相試験 WILLOW試験[海外データ、用量探索試験]1,2)

「禁忌を含む注意事項等情報」等は製品情報(ドラッグ・インフォメーション)ページをご参照ください。

本試験は一部承認外の用法・用量が含まれるデータですが、本剤の承認時評価資料であるため掲載します。

試験概要

WILLOW試験の試験デザイン拡大

主な選択基準

  • スクリーニング前の過去12ヵ月間に呼吸器疾患増悪(PEx)が2回以上あった患者

  • スクリーニング時点のBMIが18.5 kg/m2超の患者

  • 慢性の喀痰の既往歴があり、かつ現在喀痰が出ていてスクリーニング時に喀痰検体を提出できる患者 等

評価項目

主要評価項目

  • 24週間の投与期間中における初回のPExまでの時間

    PExの定義:以下の6つの症状のうち、3つ以上が48時間以上継続し、抗菌薬の処方を必要とした場合にPExとした。ただし、マクロライド系抗菌薬の長期投与中の患者が、用量又は投与回数のみを調整した場合には、増悪の定義に該当しないこととした。

    ①咳嗽の増加、②喀痰量の増加又は喀痰の粘稠度の変化、③膿性痰の増加、④息切れの増加及び/又は運動耐容能の低下、⑤疲労及び/又は倦怠感、⑥喀血

副次評価項目

  • 24週間の投与期間におけるPEx発生率(人時間あたりの事象数)

  • 喀痰中の活性型NE濃度の投与前からの変化量(PD解析として評価) 等

安全性評価項目

  • 有害事象 等(特に注目すべき有害事象:過角化、歯周炎/歯肉炎、症例報告書で治験担当医師が特定した他の感染症)

目的 非嚢胞性線維症性気管支拡張症(NCFB)患者を対象として、ブリヌスプリ10 mg及び25 mgを1日1回で24週間投与したときの有効性、安全性及び忍容性、薬物動態(PK)及び薬力学(PD)をプラセボと比較、評価すること
試験デザイン 多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
実施国 米国等14ヵ国116施設
対象

胸部CTにてNCFBと診断された成人NCFB患者256例(ITT集団)

(安全性解析対象集団:255例、PK解析対象集団:234例、PD解析対象集団:253例)

方法 ベースライン時の喀痰培養における緑膿菌の状態(陽性/陰性)、ベースライン時の抗菌薬の長期投与の有/無により患者を層別化し、ブリヌスプリ10 mg群、25 mg群又はプラセボ群に1:1:1の比で無作為化し、24週間1日1回投与した。その後4週間の未治療期間を経て、投与開始後28週(終了来院)時に投与終了後の最終評価を実施した。
解析計画

【主要評価項目】

初回のPExまでの時間は、ITT集団を対象として、Kaplan-Meier曲線を提示し、層別化ログランク検定を用いて比較した(層別化因子:ベースライン時の緑膿菌の状態(陽性/陰性)、抗菌薬の長期投与の有/無)。

階層検定手順を使用し、ブリヌスプリ25 mg群とプラセボ群、ブリヌスプリ10 mgとプラセボ群の順序で仮説検定を行った(25 mg群:片側αを0.1、10 mg群:片側αを0.05とした)。

試験終了日 2019年12月12日(最後の患者の完了日)

NCFB:非嚢胞性線維症性気管支拡張症、PK:薬物動態、PD:薬力学、CT:コンピュータ断層撮影、ITT:intent-to-treat、BMI:体格指数、PEx:呼吸器疾患増悪、NE:好中球エラスターゼ

1)社内資料:海外第Ⅱ相試験(INS1007-201試験)[承認時評価資料]
2)Chalmers JD, et al.: N Engl J Med. 2020; 383(22): 2127-2137.
【利益相反】本試験はインスメッドからの資金提供等による支援を受けた。著者には同社の社員が含まれる。

6. 用法及び用量

通常、成人及び12歳以上の小児には、ブレンソカチブとして25 mgを1日1回経口投与する。

患者背景

ITT集団

ブリヌスプリ25 mg群
(n=87)
プラセボ群
(n=87)
年齢(歳)、平均値±SD 63.7±12.67 64.0±11.86
年齢区分、n(%) 65歳以上 48(55.2) 54(62.1)
75歳以上 14(16.1) 14(16.1)
性別、n(%) 女性 62(71.3) 55(63.2)
人種、n(%) 白人 78(89.7) 71(81.6)
黒人/アフリカ系アメリカ人 2(2.3) 2(2.3)
アジア人 5(5.7) 13(14.9)
アメリカ先住民/アラスカ先住民 0 0
ハワイ先住民/その他の太平洋諸島民 1(1.1) 1(1.1)
Multiple 0 0
その他 1(1.1) 0
喫煙歴 過去の喫煙者、n(%) 28(32.2) 30(34.5)
箱数×年数の平均値±SD 11.83±13.557 15.81±18.171
BMI(kg/m2)、平均値±SD 25.90±5.378 25.93±5.670
過去12ヵ月間のPEx発生回数、n(%) 3回未満 51(58.6) 61(70.1)
3回以上 36(41.4) 25(28.7)
過去24ヵ月間にPExにより入院した患者、n(%) 31(35.6) 30(34.5)
吸入ステロイド薬を使用している患者、n(%) 49(56.3) 52(59.8)
マクロライド系抗菌薬の長期投与患者、n(%) 16(18.4) 14(16.1)
COPDの病歴あり、n(%) 13(14.9) 17(19.5)
喘息の病歴あり 21(24.1) 25(28.7)
FEV1 n 87 85
平均値±SD(予測値%) 70.0±23.24 67.3±23.93
喀痰中NE濃度、n(%) 定量下限未満 21(24.1) 18(20.7)
定量下限~20 μg/mL未満 36(41.4) 42(48.3)
20 μg/mL以上 29(33.3) 24(27.6)
喀痰中NE濃度 測定可能であった患者数、n 65 66
平均値±SD 32.50±44.10 27.26±41.08
喀痰培養における緑膿菌陽性の患者、n(%) 33(37.9) 29(33.3)
BSIスコア、平均値±SD 8.4±4.33 7.9±4.30
BSIスコア区分、n(%) 4以下 18(20.7) 17(19.5)
5以上8以下 26(29.9) 36(41.4)
9以上 43(49.4) 34(39.1)

BMI:体格指数、BSI:気管支拡張症重症度指数、COPD:慢性閉塞性肺疾患、FEV1:1秒量、NE:好中球エラスターゼ、PEx:呼吸器疾患増悪

有効性

  • 主要評価項目24週間の投与期間中における初回の呼吸器疾患増悪(PEx)までの時間

    初回のPExまでの時間の中央値は、プラセボ群で189.0日に対し、ブリヌスプリ25 mgでは推定不能(NE)であった。ブリヌスプリ25 mg群ではプラセボと比較して初回のPExまでの時間が有意に延長した(片側p=0.022、名目上のp値、層別化ログランク検定)。

    ※試験期間中にPExが発生した患者数が少なかったため。

    24週間の投与期間中における初回のPExまでの時間拡大
  • 副次評価項目24週間の投与期間における呼吸器疾患増悪(PEx)発生率

    人年あたりのPEx発生率(調整なし)は、プラセボ群で1.25に対し、ブリヌスプリ25 mg群で0.96であった。プラセボ群と比較して、ブリヌスプリ25 mg群では有意差は認められなかった。

    24週間の投与期間におけるPEx発生率拡大
  • 副次評価項目薬力学的特性:喀痰中の活性型NE濃度の投与前からの変化量

    24週間の投与期間におけるベースライン後のブリヌスプリ25 mg群の喀痰中NE濃度の平均値は用量比例的に低下し、投与中止後4週間以内にベースライン値の付近まで上昇した。投与群間における喀痰中NE濃度の最小二乗平均を比較すると、投与後4〜24週目にブリヌスプリ25 mg群でプラセボ群に対する有意差が認められた(p<0.001、名目上のp値、混合効果モデル)。

    喀痰中の活性型NE濃度の投与前からの変化量拡大

安全性

安全性解析対象集団

ブリヌスプリ25 mg群(n=89) プラセボ群(n=85)
全ての副作用 37(41.6) 35(41.2)
副作用(いずれかの投与群で発現率2.0%以上)
歯周病 5(5.6) 0
頭痛 5(5.6) 2(2.4)
皮膚乾燥 3(3.4) 3(3.5)
そう痒症 3(3.4) 0
歯肉痛 3(3.4) 0
疲労 3(3.4) 3(3.5)
皮膚病変 3(3.4) 1(1.2)
下痢 2(2.2) 3(3.5)
皮膚炎 2(2.2) 0
呼吸困難 2(2.2) 1(1.2)
口腔内潰瘍形成 2(2.2) 0
浮動性めまい 2(2.2) 2(2.4)
手掌紅斑 2(2.2) 1(1.2)
咳嗽 1(1.1) 2(2.4)
喀痰増加 1(1.1) 2(2.4)
食欲亢進 1(1.1) 1(1.2)
過角化 1(1.1) 0
関節痛 0 1(1.2)
上腹部痛 0 1(1.2)
悪心 0 1(1.2)
気道うっ血 0 2(2.4)
カンジダ感染 0 2(2.4)
皮膚乳頭腫 0 2(2.4)
不眠症 0 2(2.4)

MedDRA version 22.0

n(%)

  • 投与中止に至った有害事象は、ブリヌスプリ25 mg群で6例(6.7%)、プラセボ群で9例(10.6%)であった。いずれかの投与群で2例以上認められた投与中止に至った有害事象は、ブリヌスプリ25 mg群で頭痛2例、プラセボ群で肺炎2例であった。

  • 重篤な副作用は、プラセボ群で5例(大腸炎、胆道仙痛、感染による気管支拡張症の増悪、細菌性肺炎、肺浸潤及び呼吸不全)にみられた。

  • 死亡に至った副作用は、いずれの投与群においてもみられなかった。

臨床試験

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