好中球性炎症と疾病負担
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好中球性炎症を主体とする慢性気道炎症、慢性気道感染症、粘液線毛クリアランスの異常、肺の破壊が相互に関連し、気管支拡張症の悪化を招きます1)。
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気管支拡張症患者では喀痰中好中球エラスターゼ(NE)濃度が高いほど次の増悪までの期間が短く、喀痰中NE濃度は呼吸機能やQOL、疾患重症度と相関します2)。
好中球性炎症と疾患負荷
好中球は気管支拡張症における主要な炎症細胞
気管支拡張症の病態として、慢性気道炎症、慢性気道感染症、粘液線毛クリアランスの異常、肺の破壊の4つの要因が相互に関連し悪化を招く、Vicious Vortexという概念が提唱されています1)。
気管支拡張症患者の気道にはさまざまな炎症細胞が広範囲に浸潤していますが、なかでも好中球が主要な炎症細胞としてはたらき、慢性気道炎症の主体を成しています3,4)。

1)Flume PA, et al. Lancet. 2018; 392(10150): 880-890. より作成
3)Keir HR, Chalmers JD. Semin Respir Crit Care Med. 2021; 42(4): 499-512.
4)Chalmers JD, et al. Nat Rev Dis Primers. 2018; 4(1): 45.【利益相反】著者にインスメッドの諮問委員を務めた者が含まれる。
好中球由来のプロテアーゼは肺組織を傷害し、慢性炎症と病態進行に関与
好中球の成熟過程でジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)によって活性化される好中球セリンプロテアーゼ(NSPs)は好中球エラスターゼ(NE)、カテプシンG(CatG)、プロテイナーゼ3(PR3)を含むタンパク質分解酵素です5)。
NSPsが活性化されると、サイトカインの活性化、MUC5ACのアップレギュレート、線毛構造の損傷、エラスチン分解、ECM分解、A1AT阻害、SLPI不活化を介した気道の炎症、病原体クリアランスの障害、粘液過剰分泌、上皮の機能不全、組織の損傷、プロテアーゼ-アンチプロテアーゼ不均衡を引き起こすことで、慢性炎症と病勢進行に関与すると考えられています5)。

Chalmers JD, et al. Eur Respir Rev. 2025; 34(176): 240179. より改変
【利益相反】本論文の著者にはインスメッドより助成金等を受領した者が含まれる。著者のうち3名はインスメッドの社員および株主である。
© Chalmers JD, et al. 2025.(CC BY 4.0)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
監修:大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学 教授 熊ノ郷 淳 先生
喀痰中NE濃度と次の増悪までの期間、呼吸機能、QOL及び疾患重症度
気管支拡張症患者381例を対象に、喀痰中NEを評価し、増悪までの時間や疾患重症度を分析した英国の単施設前向きコホート研究2)では、喀痰中NE濃度が高いほど次の増悪までの期間が短く、喀痰中NE濃度は絶対FEV1、%予測FEV1、SGRQスコア、BSIなどと相関することが示されました。


※:NE濃度の測定法は臨床試験の一環として研究でのみ使用されており、「上昇した」NE濃度の標準化された定義はない。現時点では、気管支拡張症における疾患活動性のバイオマーカーとして認められているものの、臨床診療において診断に使用できる市販のアッセイはない。
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研究概要:
ダンディー(英国)のTAYBRIDGEレジストリを用いた単施設前向きコホート研究であり、エラスターゼ活性およびデスモシンと、気管支拡張症における増悪及び呼吸機能低下との関連を明らかにすることを目的とした。NE活性の評価に十分な喀痰検体が得られた気管支拡張症患者381例を対象に、喀痰中NEをABI-NE活性により評価した。Kaplan-Meier法とCox比例ハザード回帰を用いて、イベント発現までの時間データ(初回増悪、初回入院、および死亡までの時間)を分析した。また、喀痰中NE活性と疾患重症度との関連を分析した。
BSI:気管支拡張症重症度指数、FEV1:1秒量、SGRQ:St. George's Respiratory Questionnaire、TAYBRIDGE:Tayside Bronchiectasis Registry Integrating Datasets, Genomics, and Enrolment into Clinical Trials
Chalmers JD, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2017; 195(10): 1384-1393.
REFERENCES
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Flume PA, et al. Lancet. 2018; 392(10150): 880-890.
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Chalmers JD, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2017; 195(10): 1384-1393.
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Keir HR, Chalmers JD. Semin Respir Crit Care Med. 2021; 42(4): 499-512.
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Chalmers JD, et al. Nat Rev Dis Primers. 2018; 4(1): 45.【利益相反】著者にインスメッドの諮問委員を務めた者が含まれる。
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Chalmers JD, et al. Eur Respir Rev. 2025; 34(176): 240179. より改変 【利益相反】本論文の著者にはインスメッドより助成金等を受領した者が含まれる。著者のうち3名はインスメッドの社員および株主である。